顎関節症
あごは身体の中で最も大きな関節で、脳や太い血管・神経に近く、不具合が全身に大きな影響を及ぼしやすい部分です。顎関節症は、あごを動かす関節や筋肉、靭帯などにトラブルが起こっている状態で、20歳代の女性に多い傾向があります。代表的な症状にはあごを動かした時に起こるカクカクとした異音、痛み、違和感などがあり、口を開けにくい、大きく口を開けられないなどが起こることもあります。放置していると慢性的な肩こりや頭痛など全身に影響が及びやすいため、あごに異常があったらできるだけ早く受診しましょう。
顎関節症の原因
顎関節症は、咬み合わせ異常、ケガ、ストレス、噛みしめや歯ぎしり、詰め物や被せ物など修復物の不適合など、いくつかの原因によって起こっていることが多くなっています。特に睡眠中の歯ぎしりや無意識に食いしばる癖は自覚されないことが多く、歯の検診ではじめて指摘されることが多くなっています。問診や検査で原因を絞っていきますが、複合的な要因がかかわっていることがほとんどですので、症状がある程度軽くなっても継続して治療を受けていくことが重要です。ちょっとした生活改善が大きな成果につながることもありますので、気軽にいろいろ試してみることも重要です。
顎関節のセルフチェック
ご自身で確認できる簡単なセルフチェック表です。設問に答えて出た数字の合計点数が8.6以上の方は、「顎関節症の危険あり」となります。また、問2において「いつもある」「しばしばある」を選んだ方も注意が必要です。(杉崎正志、他:2007)
問1.口を大きく開いたとき、人差し指から薬指を並べた3本指を縦にして入りますか?
- すっと入る
- ほぼ問題ない
- どちらともいえない
- やや困難
- 全く入らない
問2.口を大きく開け閉めした時、あごの痛みがありますか?
- 全くない
- たまにある
- どちらともいえない
- しばしばある
- いつもある
問3. 口を大きく開いたとき、まっすぐに開きますか?
- いつもまっすぐ
- たまに曲がる
- どちらともいえない
- しばしば曲がる
- いつも曲がる
問4. 干し肉、するめ、タコなど硬いものを食べるとあごや顔が痛みますか?
- 痛まない
- たまに痛む
- どちらともいえない
- しばしば痛む
- いつも痛む
いいだ歯科医院で行う顎関節症の治療法
顎関節症治療では、原因につながる要因をなくしていくことが重要です。当院ではこれまでの顎関節症治療の実績をもとに、カウンセリングも重視した治療を行っています。
マウスピースの作製
就寝中のいびきや歯ぎしりを改善させるマウスピースです。患者様の口内に合わせてお作りし、厚みを0.5mmから2mmと少しずつ高くしていくことで無理のない治療を行っています。気道を確保していびきや歯ぎしりをなくすことで、あごにかかる負担を大きく減らし、症状改善につなげます。
その他
いびきや歯ぎしり、無意識に行っている食いしばりは、身体が出しているストレスのサインであることも多くなっています。そのため、あごの状態を改善させるためにはストレスの軽減も不可欠です。当院では丁寧なカウンセリングによってライフスタイルを確認し、無理なく行える食事・睡眠・運動などの生活習慣アドバイスを行っています。 また、入学、就職、転勤、出産などの環境変化が大きな負担になってそのストレスがあごに現れているケースもあります。問診でお話をうかがってこうした問題点がわかってくることで患者様のお気持ちが整理され、症状改善につながることもよくあります。お気軽にご相談ください。
飯田院長からのひとこと
ストレスをうまく受け流して解消できるようになれば、歯ぎしりや食いしばりをなくして顎関節症を治すことにつながります。負担にならない範囲でライフスタイルを見直し、ストレスに打ち勝てるメンタリティを作ることを当院では重視しています。一緒に相談しながら、上手なストレス解消法をみつけていきましょう。
顎関節症に関するよくあるご質問
顎関節症のときは硬い食べ物は避けたほうがいいですか?
本来であれば、硬い食べ物は避けるべきですが顎関節症だから食事に制限があるのは生活していくうえで大変不便です。まずは原因を突き止めて症状を改善していくことが大切です。
顎関節症は治る病気ですか?
適切な治療を行うことで、痛みを和らげて症状を改善していくことが可能です。
顎の筋肉マッサージは顎関節症に効果がありますか?
マッサージはリラックス効果もあるのでストレスなどで顎関節症を患っている方には特に効果的です。当院では症状に合わせてマッサージが必要な方には、マッサージの方法もお伝えしております。